投稿者:ヤウジロウ氏
皆さんが毎日普通に見上げている月。しかし、その月に少しの疑問を抱いた事は無いだろうか?それは「何故月は地球に落ちてこないのか?」という些細な疑問だ。
ニュートンが木からリンゴが落ちるのを見て、物と物の間にはお互いを引き付け合う力、つまり万有引力が働いている事が判った。と言うことは、もちろん今現在も我々は地球に引っ張られているのであって、我々も地球を引っ張っている事になる。これは、月と地球にも言えるのではないだろうか。
月は地球の約1/6の重力がある。つまり、地球で体重60sの人が月に行くと体重は10sになると言う訳だ。と言うことは、月の地球を引っ張る力は地球が月を引っ張る力よりも少ない事になり、月は地球の引力に引っ張られ、仰ぎ見ていた月はその姿を次第に大きくし、地球と衝突。その衝撃によって地球は軌道を変え、太陽の引力に飲み込まれ、一瞬にして灰になるか、または宇宙の果てまでぶっ飛んで行くかだ。
想像して欲しい。今まで夜空で煌々と輝いていた月が地球の引力に負けると同時に、次第に赤く染まり大気圏を突入し、やがて衝突。運良く海に落ちた所でその衝撃によって生じる波が大地を飲み込み、衝撃波が全てのものを薙ぎ倒す。そして地球は軌道を変え、次には太陽の大きさが昨日の2倍になっている。地球温暖化などと言っている場合ではなく、太陽と接近した事によってその気温は灼熱地獄のように増していく。水は乾き人々は次々に干からびていくではないか。そして終に人体自然発火温度まで気温は上昇。地球上の生物は生きたままその身を焦がし、死に絶えて逝くのだ。それはまさに地獄絵図と呼ぶのに相応しい光景ではないだろうか。
もしくは、月との衝撃によって太陽とは逆の方向に飛んでいき、やがて宇宙の果てまでやって来る。そこは太陽の光も熱も届かない漆黒と氷の世界。差し詰め恐竜が死に絶えた氷河期の再来とでも言えばいいだろうか。月の衝突によって地球の軌道がどちらに転んでも、その生命を死滅させる事には変わりは無い事だ。
さて、ここからが本題だ。月は何故落ちてこないのか。それは月と地球の絶妙なバランスによって存在する。そしてここで欠かせないのが、月の速度と、地球の形だ。手っ取り早く言うと月は地球に向かって落ちている。と言うよりも、今も昔も落ち続けていると言った方が正しい。但し、地球に向かって落ちてくる月は、キャッチボールの時のボール軌道のように、次第に地球に落ちて来るというもので、決して垂直に落ちる落下ではない。
図1はボールを投げた時の軌道を表したものだ。地面に対して水平に書かれる赤い矢印はその移動距離を表し、地面に向かって垂直に向かう矢印はその落下距離を表す。つまり、地球に重力がある限り、投げたボールは必ず落ちると言うことだ。
さて、図2は地球と月の図だ。緑の線は月の軌道を表している。図1で説明したとおり、進んだ距離と落下する距離が赤線で描いてあるのが解かる。これを見ると、月がある一定の距離を進むと、地球の引力によって落ちるのだが、地球は丸い為、その落下した地点が常に地球と一定の距離間にあると言うわけだ。つまり、月は常に地球の引力によって引っ張り落とされ続けているのであって、その軌道と移動速度が変化した時、月は地球に衝突する。先ほど、「月は常に落ち続けている」と言ったのはこのことだったのだ。
と言うことは、逆のこと言えば、月を地球に落とす事は簡単な事だ。
1:月の速度を変える。
2:地球の形を変える。
2番は無理だろう。と思っている人がいるかもしれないが、それはさほど難しいことではないだろう。日本は核ミサイルを2つあるポイントに打ち込まれただけで、ポキッと折れて沈没するらしい。と言うとは、核を5つくらい集中したポイントで一気に爆発させれば、地球の形は変わるのではないだろうか?
1番の月の速度を変えるのは今の技術でも簡単にできることだ。月の軌道を計算し、核1発でいい。爆発させれば軌道が変わり降ってくる。まぁ、どちらかと言うと速度よりも軌道の方が正しいかもしれないが。
このことを考えると、その昔、地球に衝突する巨大隕石を避ける為に北極と南極に巨大ジェット噴射を設置し、隕石の軌道を反らすのではなく、地球ごと隕石を避けようとした映画があったが、あれはSF中のSFになる。北極のジェットが噴射され、隕石を避けた後、南極のジェットを噴射し、地球の軌道に戻る大作映画ではあったが、そんな事を実際すれば、冒頭でも述べたように引力関係が崩れ月が降ってくる。と言うよりも、その軌道を変えた瞬間、宇宙の果てに飛んでいく可能性のほうが高いのだが・・・
このことを踏まえれば、惑星の軌道がどのように生まれたかも解かる。つまり、月が地球に落下中であると同じように、地球は太陽に落下しているのも同じ事なのだ。
我々が乗っている地球と言う青い球体は、宇宙の焼却炉の名を持つ太陽に常に落ちていると考えれば、少しはゾットする話ではないだろうか。もしかすると、ヒョンナ隕石が地球にぶつかった衝撃でその軌道が変わり、地獄の業火へ御案内となるかもしれないのだ。
この神業ともいえる絶妙なバランス関係は、いつどのように崩壊するか分かったもんじゃない。そんな命綱も無い綱渡りの様な均衡状態で、平凡に生活している我々がどれだけチッポケな存在であろうかことか、それは本当に神のみぞ知ることなのだろうか・・・
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