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空中元素固定装置

投稿者:ヤウジロウ氏


一度は変身アニメを見たことがあるだろう。魔法使いアニメでも良い、彼らの変身シーンは大抵着ている服が一旦消えて変身用の服に変わる。アニメ以外ならば、日曜朝に放送していた特撮ヒーローに同じ事が言える。彼らの変身シーンは一旦裸になってからピチピチ戦闘服に着替えるのだ。

これは只のサービスショットではない。確かに、最近の特撮ヒーロに登場してくる役者は、皆揃って美男子ばかりである。朝早くから美男子の変身シーンをヨダレを垂らしているマダムを見ていると、サービスショット以外の何者でも無いように思えてくるが、この変身は科学的に実際証明できる、画期的てシステムなのである。

サービスショットだと思っている変身シーンだが、一旦着ていた服が消えるのは、空中元素固定装置によるものだと考えられる。空中元素固定装置とは、文字通り空中の微量元素を捕まえ、固定、物質化する装置の事である。しかし、空気中にある元素と言えば空気(O2)と二酸化炭素(CO2)、そして水分(H2O)であろう。細かく言えば他にも微量に他元素を含んでいるのだが、ここでは伏せておく事にする。

この3つがあれば、多彩な物を形作る事ができる。今着ている服も細かく言えば、炭素(C)と水素(H)で作る事ができるのだ。という事は、この変身シーンとは、雅に空中元素固定装置を用いて服を再合成しているシーンなのである。また、着ていた服は分解され空中元素に戻されるものと考える。

この原理はあの有名なアニメ、「ドラえもん」でも採用されている。どらえもんの道具に「着せ替えカメラ」という未来の道具がある。このカメラは着たい服のデザインを紙に描いてセットし、被写体に被せて撮るとその人の周りにそのデザインの服が出来上がるのである。これもこの空中元素子固定装置を利用したものと考えられる。現に、着せ替えカメラを使い過ぎたのび太は、カメラで撮った所、エネルギー不足で元素固定が出来ず、スッポンポンになってしまったのである。このことを踏まえると、我々の身の回りには空中元素固定装置の理論は至極身近な所にあったと云えよう。

さて、この空中元素固定装置だが、出来るのは服だけではない。もちろん元素から作り上げられるのだから、作れないものは無い。仮に食料としよう。この空中元素固定装置を使えば、米であろうが、肉であろうが何でも作る事ができる。現在の技術で肉を作るとすれば、100gの肉を生産するのに丸2日はかかってしまうそうだ。これを瞬時に生産するのは、まだ先の話かもしれないが、我々が生きている間には完成するものと考えられている。

この元素による生産技術が完成すれば、飢饉もなくなり、貧しい人々も救われる事であろう。将来、至上で出回る製品の殆どが元素固定品になり、手造り商品は至極高い値が付けられる。元素固定商品の生産は、原材料生産と加工が一緒にできる為、大幅なコスト削減が出来る。よって、商品の価値は下落し、馬鹿みたいに安い値が付けられるのだ。

また、空中元素固定装置のコンパクト化が進めば、それこそスーパーやデパートで買い物をする必要が無くなり、全て自宅で生産出来ることになる。しかし、このコンパクト化により犯罪が急増することは目に見えている。

さて、今も昔も変わらずに現れるのが、変質者である。今の変質者はそのままストーカー行為になるケースがあるので昔よりもタチが悪いが、昔ながらの変質者といえば、ロングコートにサングラス、マスクをして背後から近寄ってきたかと思えば、突然前方に回りこみ、ロングコートをバッと広げる。

ご想像通り、コートの下は全裸であり、自分の珍モノを見せる事で快感を得るという奴である。最近ではこれも一風変わり、自分の下半身を黒い半ズボンを穿いている様にペイントし、下半身丸出しで、威風堂々と白昼ベンチに座っていたという事件に変わる事になろうとは、呆れてモノも言えない。しかし、コンパクト空中元素固定装置によって、一瞬にして全裸になったり、また服を着たりできるのである。これを世の変体さんが使わない筈がない。

まず、身なりは普通の服を装い人通りの少ない道へ進む女性を探す。発見したら、尾行し人気がなくなった所で、元素固定を解く。すると、一瞬で全裸になり、その女性にタップリと見せびらかす事ができるのだ。もちろん、コアな変質者はそのまま、何処までバレることなく全裸で尾行できるかのスリルを楽しむ輩も出てくる事であろう。

また、それだけならば良いが、遠距離型の空中元素固定装置が開発された場合、通りすがりの人の服を一瞬で消す事ができるのだ。また、この遠距離型は学校の虐めで使われ、体育の時に突然全身タイツにされたり、パンツ一丁にされたりするのだ。もちろん、商品の開発にはそれに対する対応商品も開発される。それが空中元素完全固定スプレーである。このスプレーを掛ける事で、構成された元素が完全に接着し再合成できなくなる。商品的に考えると、このスプレーを掛けた状態で市場に販売されるのが一般と思えるが、朝寝坊し着替える時間も無い時に、空中元素固定装置を使用して登校してくる、そんな学生も多くなる筈である。時間も無いので固定スプレーも使えず、少しドキドキの一日を過ごす事だろう。考えるに、この衣服変換の虐めは成長が早く、市販の服を買っても直ぐに着れなくなってしまう小学生によく起こる現象といえよう。

さて、この装置の開発において、完全犯罪も簡単である。凶器を製造し、使用後は凶器を消してしまえばいいのだ。考えてみたら、兵器とも思える空中元素固定装置であるが、結局の所、如何なる道具も使う人間のモラル次第という事なのである。

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