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CMの有り方

投稿者:ヤウジロウ氏


みなさんがTVを見ているとその番組のスポンサーが作るC,Mが流れる。そのC,Mに疑問を感じた事は無いだろうか。もちんC,Mには様々なものがある。洗剤のC,Mであったり、車のC,M。食品のC,Mに玩具のC,M。見慣れていて気が付かない部分が有るかもしれないが、これからのC,Mの宣伝方法は、完全ではない。それを痛感できるのは、洗剤のC,Mであろう。

「この洗濯洗剤は漂白剤が入っているので、今まで落ちなかった汚れもこの通り」

というナレーションの裏には、イメージ映像と称し、繊維に染込んだ汚れを洗剤のパワーで剥がし取って行く絵が流れる。が、ここが問題なのである。このイメージ映像では、どんな汚れも剥がしてもとの白さに戻します。というのを表現しているが、映像が切り替わる瞬間に注目して頂きたい。汚れの取り残しが有るのだ。そう、「今まで落ちなかった汚れも落とします」と宣伝文句で売っているが、実際のイメージ映像では汚れは完全に落ちず、確りと残っているのだ。

というのは、PL法に基くC,M構成に成っているからだと思われる。流石に

「多少の汚れは残るにせよ、大体落とす漂白剤入り洗剤」

と馬鹿正直にアピールすれば、売れ筋はサッパリであろう。かと言って、どんな汚れも落とせる完璧な洗濯洗剤なんて有りはしない。では、宣伝文句では「どんな汚れでも…」と言うが、実際はどうなのかというと、イメージ映像に有るように「多少の取り残しは有ります」といった感じにさり気無くアピールするのだ。

歯ブラシのC,Mもそうで、「歯垢を歯の奥から取り除きます」と宣伝するその映像には、確りと取り残しが有るのだ。確かに歯ブラシともなれば、それは歯を磨く本人に問題があるからかも知れない。確りと磨けは歯垢は宣伝文句の様に根こそぎ取れるが、適当に磨けば歯垢何て取れないかも知れない。そこら辺を考慮した上で C,Mを作成し、宣伝していかなくてはならないのだ。

さて、上記のことを踏まえタバコのC,Mを見てみよう。タバコはもちろん法律によって20歳未満の喫煙は禁止されている。この事柄がC,Mの何処に記載されているか。それは、画面の下端に小さく「タバコは二十歳になってから」と記されているのだ。チョット見れば気が付きそうも無い配置である。それならばC,Mの最後に大きく、「未成年者の喫煙は法律で禁止されています」と出すべきではないだろうか。そちらの方が、社会的にも納得できるC,Mになるのではないだろうか。また、

「タバコの吸い過ぎは健康を損なう場合が有りますので、吸い過ぎには注意しましょう。」

と書かれる時もあるが、この宣伝方法は情報性が甘い。アメリカのタバコのC,Mは強烈である。死体袋を積み上げる映像が流れ、

「タバコを吸い過ぎると死にます。」

と、出るのだ。もちろんこのC,Mはタバコ会社が出しているC,Mである。つまり、吸い過ぎで死んでも良いなら買って下さい。また、その覚悟があるなら吸って下さい。という意味である。アメリカならではブラックユーモアに富んだC,Mと言えよう。しかし、日本もコレくらいインパクトの強いC,Mを流さなくてはいけない。日本のタバコのイメージは、ガンになるなどと言う前に、「格好いい」といったイメージが先にある。それがそもそもの間違いなのだ。アメリカのように死体袋を積み上げて、とまでは言わないが、タバコの影響で亡くなる確立をグラフ化するなどの、忠告をするべきではないだろうか。元々の喫煙者にとっては、そんな映像が付け加えられた所で、タバコを止めるという人は微々たるものであろう。タバコは税金が仰山取れる、国にとって嬉しい商品かもしれないが、国民あっての国である。宣伝性の教化をしてはどうであろうか。

宣伝性の教化はタバコに限った事ではない。車のシートベルトなどもそうである。しかし、シートベルト着用のC,Mなどは、最近その事故率をグラフ化しC,Mに取り入れる物を見る。これは素晴らしい事で、視聴者側もそれを見てシートベルトの安全性を再確認することができるのだ。

しかし、グラフを出すだけでは駄目だ。シートベルトの安全性は元より、

「着用しなければフロントガラスに頭部を強打し、部外骨陥没の危機や、強打時に首への負担が掛かり、頚椎損傷などの被害が考えられます。車を運転なさる時は、シートベル着用を心がけましょう」

と、結構グロテスクな内容を含んだ方が寄り信憑性に富む。最近では「チャイルドシートの骨盤拘束」と、謳っているC,Mがあるが、あれも

「骨盤で確りと拘束なさりませんと、腹部を圧迫し、最悪内臓破裂。助かる見込みは極端に減少いたしますので、確りと骨盤拘束を心がけて下さい」

と宣伝するべきではないだろうか。

「骨盤で拘束しませんと、腹部を圧迫し大変危険です」

では、何がどう危険なのか確りと伝わってこない。また内臓破裂の場合、 30分程経ってから意識を失う場合があり、直ぐに症状が現れるものではない。まして、対象が幼児である。言葉もろくに話せない状態では、今自分がいかなる状況に陥っているのか、伝える手段をもたないのだ。気が付いたらグッタリしていて、顔は青白く呼吸をしていない。なんて事があってからでは遅い。C,Mはその辺の重要性をもっとアピールするべきである。逆にその重要性を突いた上で、この商品の安全性は高く…と謳えば、商品紹介も上々であろう。

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